俺は戸上を救った。なんて言ったらそれこそ偉そうだけど、それでも今、戸上が隣で笑っていられるのなら、俺は救世主だって胸を張って言っていいのかもしれない。

誰かを笑顔にできるなら、それだけできっと誰でも救世主なんだ。

だから、戸上も俺の救世主。

龍にとっての愛、そして、愛にとっての龍も。

世界の隅っこで体操座りしている人にも、きっと救世主はいる。

ちっちゃくなって俯いてないで、少しだけ顔を上げてみて。

そしたら案外近くで誰かが手を伸ばしてくれてるかもしれないから。

「タケは?なんか約束しとくことない?」

「んー、」

運命とか、知らない。諦めるにはまだ早い。

幸せに蓋をしないで、一歩踏み出そう。


窓から差し込む光に照らされた戸上はキラキラしていた。

このキラキラをいつまでも守れますように。


~END~