「あ、戸上きた。」

戸上は龍の呪いが解けてから、人との隔たりがなくなり、友達も増え、これまで以上にモテていた。今日もまた、人に囲まれている。

今までの戸上のことを思うと、ほんとに嬉しい。

「はよ。」

眠そうな顔をしたナカヤンが俺らのとこに来た。

「おはようヒロくん!あんな、スペイン行かん!?」

「…は?」

「北海道でもええで!」

ヨネの旅行の行き先がどんどん増えて行くのを聞いていると、戸上が俺の前に座った。

「おはよう。何の話?」

「あ、戸上!ドイツ行かん?」

「は?」