龍の呪いを解くために奔走した数ヶ月が夢だったかのように、俺らは普通の生活に戻った。 「タケさん、ハワイ行こうやハワイ。」 「は?」 「旅行行きたいやん。」 「唐突やな。」 いつものように教室の一番後ろを陣取ってケータイをいじっていると、ヨネがやってきて、そう言い出した。 「なんでハワイ?」 「あ、フランスでもええよ。」 「は?」 「秋葉原でもええよ。」 「いきなり日本やん。」