戸上のじいちゃんから連絡が入ったのは、雪が溶け始めた頃だった。 「…え、今なんと?」 電話に出たメイドさんの顔色が変わり、それから黙ってしまった。 「あの、どうかしたんですか?」 メイドさんの表情は変わらず、視線だけ俺の方に向けてきた。 よく見ると手が震えている。 俺は受話器をとった。 「もしもし?おじいさん?戸上落ち着きました?」 『…タケくん、落ち着いて聞いてくれ。』 「え?」 『俊介は…今眠っている。』 「そうですか。」 『きっともう、目覚めることはない。』 俺は言葉を失った。