うどんを持って席に着くと、戸上がジッとこちらを見る。

「なにい?」

「あ、いや、いつもうどんやなあって…あ、」

戸上はしまったと言うように、口に手を当てた。いつもって…。つまりいつも見られていたということで。

「見られてたん?うわあ、恥ずかしいなあ。俺が金欠なことバレとるやんー。」

「え、」

「うどんが一番安いやん?おいしいのもあるけど。」

「あー…」

「戸上はいつもカレーやんな?学食のカレー辛くない?」

「えっ」

「あれかー。戸上辛党かー。ん?どしたん?」

戸上のスプーンが止まっている。

「あ、いや、いつも見てたん?」

気まずそうに苦笑いする戸上。