「おそらく坊っちゃんが落ち着いたら戻って来られると思いますが、中で待ちますか?」
「あ…はい。お願いします。」
メイドさんに案内されて入ると、中はひどく散らかっていた。 鏡は割れ、棚が倒れている。地震でもあったかのようだ。
「…これ、全部戸上が?」
「…ええ、耐え難い痛みのようです。」
戸上はもう末期なのではないだろうか。
いや、でも龍の名前を思い出せたのだから、戸上を助けられる。
「メイドさん、俺、思い出せたんです。龍の名前。」
「…本当ですか?」
「はい。」
メイドさんは俺の手を握り、泣き出した。


