中から走ってくる音がして、やっと出てきたのはメイドさんだった。
「竹崎様、おはようございます。」
「おはようございます。俊介くんは?」
メイドさんは言いづらそうにしている。
「…坊っちゃんは、昨晩様態が急変しまして、今お医者さんのもとに…」
「え?」
「夜中頃、薬が切れてしまって、坊っちゃんは痛みに耐えられなかったのか部屋をめちゃくちゃに…。この雪ですから、お医者さんを連れて来るよりお医者さんのもとに行った方が早いと、旦那様が連れて行かれました。」
「そ…うですか。」
どうしよう。戸上が大変なことになっているのに俺は何も出来ない。名前を思い出したのに、会えないと意味ない。


