いつもの場所に龍はいた。

愛は龍のもとに駆け寄り、それから大声で泣いた。

「お母さん…っうぐっお母さんっお母さんっ…」

龍は愛にすり寄った。

しばらく泣いて、愛はだいぶ落ち着いた。

「私の名前、愛っていう名前、お母さんが考えてくれたんだって。世界を愛して、世界から愛される子になるようにって。大好きなのこの名前。大切なの。」

愛は一方的に話した。

「そうだ。あなたにも名前付けてあげる。いい名前、考えるね。」