龍がいた。目の前に大きな龍が。 龍は優しい目をしていた。 大きくて、怪物の姿なのに、不思議と怖くはなかった。 鼻の辺りを撫でると、くすぐったそうに目を細めた。 緑色でキラキラした綺麗な鱗。 俺が笑うと、龍が泣いた。 龍も涙を流すのか。 なんだか愛おしくて、悲しい気持ちになって、胸が苦しくなった。