「美愛、俺が変わるために。
少しだけ手伝ってくれるか?」
『私は病人なんだけど
声も出ないし、正直誰かの相談にのれるような精神的な安定はない』
そのとき、美愛はここに来て初めて表情を見せた。
無表情で、光を灯さない真っ黒瞳。
とてもじゃねえが笑った、とは言えないくらい少しの変化。
だけど、確かに頬を緩ませ、口角を微妙にあげる。
『でも、聞くだけならできるかも』
俺はなんで、こんなに優しいやつを認められなかったんだろうな。
その表情を見て、完全に踏ん切りがつく。
変わるなら………今しかない。
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