「いずれ夫婦になられるのです。お互いを見つめるにはいい時期かと思いますが」

「あのさ、夫婦って言われてもあたしはまだ学生だし・・・」

まだ十七歳になったばかりの高校生なのに、流されるままここに来たが、円がどう思ってるのかを聞いていなかった。

自分は姉の身代わりとしてここにいるつもりなのだが、その説明もまだだった。

「そのことについても、円様とよくお話された方がよろしいかと」

「わかった・・・」

普段、変わらないはずの海の表情が、少しだけ暖かいものに変わったのを菖蒲は見逃さなかった。