南川家では舞を披露できる巫女は菖蒲しかおらず、練習させられていた。

「ただいまー」

「おかえり。お爺様がお待ちだろうから、早く着替えて行って差し上げなさい」

出迎えてくれたのは母の菫(スミレ)。

簡単に帰宅の挨拶を済ませて、自分の部屋へ移動する。

昔は苦労した着付けも、今となっては手慣れたものだ。