何度も物の怪の奇襲を受けながらも、なんとか乗り切り東峰院家にたどり着いた。


その場所は菖蒲が少しの間住んだ屋敷ではなかった。


円が作り上げた結界は跡形もなく、妖怪たちが蔓延していて瘴気が立ち込めていた。こんな場所に普通の人間がいたら、半刻も経たずに正気を失ってしまうだろう。



「・・・ここに桜と九尾がいる。俺が先に行って・・・」



「ううん。あたしも一緒に行く」



優しい笑みを向ければ、円は頷いてまっすぐ前を見据える。