また目の前が暗くなる。けれど、この感覚は蓮華が行ったものではないと瞬時にわかる。


蓮華、風、七瀬。それ以外の人間がいるわけがないのに、知らない女性が、菖蒲の前に立っていた。


微笑みを絶やさないその顔は、菖蒲にとてもそっくりだった。いや、瓜二つと言っても過言ではないかもしれない。


「やっと会えたわね。当代の光巫女・・・菖蒲さん」


「あなたは・・・栴さんですよね?」


「ええ・・・蓮華には悪いけれど・・・どうしても話しておかなければならないことがあるのです・・・
私のせいで・・・南川家と東峰院家を巻き込んでしまった・・・」


その苦悶の表情から、光巫女は千年もの間後悔し続けていたのだろう。