「お風呂、有難うございました。すごくいい湯加減でした」


「それは良かった。じゃあ、行こうか。風ちゃんと七瀬ちゃんもそこにいるから」


案内されたのはこの屋敷の奥深く。踏み入れてはいけないような、神聖な場所なんだと思う。


一歩足を踏み入れた瞬間、何かに拒絶されたような感覚が菖蒲を襲う。


「菖蒲ちゃん、これから君が知る真実はかなり残酷なものだと思う。もしかしたら君は受け入れられないことかもしれない・・・」


そんなこと言われなくてもわかっている。実際今までこの身に起きた出来事なんて、現実離れしていることばかりだ。


今更、何を聞いても驚かない。全てを受け入れる準備は出来ているのだから。