光の巫女

「神具なんて・・・あたし、知らないっ!」


『そんな嘘が通じると思っているのですか?
東峰院家にあったはずのものがないのですよ?おかしいではないですか・・・』


不思議そうな表情を浮かべるも、一瞬にして不敵な笑みに戻る。


『答える気がないようですね・・・致し方がない。
さぁ、可愛い狐たちよ。この巫女と遊んで差し上げなさい』


近づいてくる足音。その数は数十人はいるだろうか。皆、狐に操られ、焦点があっていない虚ろな目。けれど、向かってくるのは、菖蒲に向かってくるのみ。