「その相手なら僕がなってあげるよ。八尾の狐さんっ!」


後方から拳銃を発砲したような音が聞こえた。それと同時に、柊花は軽く受け流すように避ける。


『ほう・・・。西園寺家の退魔師ですか・・・』


「阿紺っ!」


召喚された式神 阿紺はすかさず七瀬の瘴気を祓う。そのまま菖蒲と七瀬を隔離結界へと誘う。


『さすがは西園寺家当主ですね。完璧な結界だ・・・
けれど、私の瘴気を人間が受けたのですよ? 簡単に祓えるでしょうか?』


先ほどから不敵な笑みは一切変わらない。なんだろう、この違和感は・・・


表情から伺うに、凪もそれに気づいているだろう。