《千年前、巫女に封印された。 忘れはせぬ、我を裏切り、この地に封印した巫女も、その血を受け継ぐ者たちも。すべて壊してくれる・・・》

目の前の祭壇をどす黒い瘴気を纏う。

其の瘴気は、九尾の言葉に従うように菖蒲目掛けて向かってきた。

「いやぁぁっ!」

このままでは瘴気に体を持っていかれてしまう。

今まで自分には物の怪が見えていたけれど、自分に害を加える者はいなかった。

自分でも知っている大妖怪が、己を殺そうとしているなんて・・・

(・・・お姉ちゃんに、退魔術くらい習っておくんだった・・・)

目をぎゅっと瞑り、迫り来る”死”に備えた。

その時・・・