それなのに何故、声が聞こえるのだろう?

耳で聞いているわけではない。心に直接響く感覚。

低く、震え上がるような声。

直感的に感じる。この声の持ち主は”人ではない”

《女、命が大事であろう。其の神具を壊せ。幸い、結界の力も弱まっている。その神具さえなければ・・・》

「嫌よっ! これはあたしが持ち帰るの・・・」

《今の我の力なら・・・ お主を殺すことなど雑作もないぞ? 我は”大妖怪 九尾” 妖怪の世界を支配する者・・・》

「大妖怪・・・ 確か光巫女様が封印したっていう・・・」