光の巫女

大声を出したかと思えば、急に走り出した風を呆然と目で追いかけることしかできない菖蒲。


それから数分後、本堂に円の強力な結界と共に祀られていたはずの神具を抱えて戻ってきた。


「菖蒲様、神具ですわ。何故かは解明できませんが、九尾と対峙した際、何らかの力が働いて式神を召喚出来たと考えられます」

「でも、何度も試したけれどうまく出来なかったよ?」


「あれは貴女様が呪にかかっていたからでは?巫女とは陰にあらず。陽の力が陰の力に反発した。菖蒲様は気の質量が少ないのかもしれませんわね。その分他のことに手が回らなかっただけです」