「綺麗・・・」

《其の神具を、我に渡してもらおうか・・・》

「誰っ!?」

誰もいないと思っていた菖蒲は、咄嗟に神具を抱え込んだ。

《このような玩具が、永きに渡り我をこの地に封印していたとは・・・》

「・・・ なんなの・・・? 誰なの・・・?」

周りを見渡すけれど人影はないし、結界が張られているこの雹零山には南川家の人間しか近づくことができないはず・・・