「おはよう、ございます」

「あら、菖蒲様?今日はお早いんですのね。いつもは海が
起こしに行くまで全く起きませんのに」

「・・・たまたま。たまには早く起きてみようと思って」

朝餉の準備をしていた風は、菖蒲の起床に不思議がっていたが、何が原因かまでは気づいていないようなので、安心した。

「風には心を読む力はありませんので、早朝に何があったかまでは、気づいていませんよ。ご安心を。菖蒲様」