狐は私を見る。 ───シュゥゥゥ すると、狐の周りに白い霧が現れ始めた。 そして、私を包む。 「!?」 やがて霧が消えると、狐は消えていた。 「ど、どこっ?」 私は狐を探す。 「ここさ」 私の後ろから声が聞こえた。 さっきの狐の声より、とても低い。 私は振り返る。 そこには、男の人が立っていた。 「あ…、貴方は?」 問う。 「私の名か? 私は… 紅。」