レイは、死んだ方がいいんだ。
仲間の1人がそう呟いたのが、少年の頭の中で冷たく響きました。
レイを、役人達に突き出したのは、ラウールをはじめとする、少年の仲間達だったのです。
なぜいきなりそんなことを言うのか、あまりにも突然すぎるその態度に、少年はひどく困惑しました。
レイは、悪魔だ。
先ほどとは別の1人が、小さな声で言いました。
その言葉が引き金となって、少年は大きな雄叫びを上げ始めました。
そしてそれと同時に、少年はこれまで抑えていたすべての力を開放しました。
広場には大きなどよめきが走ります。
少年にはもう、すべてが信じられませんでした。
ぼやけた意識の中で、すべてを破壊してやろうと思いました。


