ラウール達を殺し終えて間もなくして、少年の前にレイが立ちはだかりました。
「レイ、すべてが終わったんだよ。
そして、これから始まるんだ、僕達の世界が」
両手を広げて、少年は新しい世界の幕開けを告げました。
「みんな、殺しちゃったの?」
レイは血の匂いに眉をひそめました。
「新しい神様の誕生だよ」
少年はもう何の疑いもなく、自分こそが神様なのだと確信していました。
「ねぇ、リズ」
弱弱しいレイの呼びかけには、少年は応じませんでした。
「そうだ。今日の記念に大きなお城でも建てようか」
楽しそうにそう語る少年を、レイは泣きそうな表情で見つめました。
「リズ、お願いがあるんだ」
血のこびり付いた少年の服の袖を掴んで、レイは言いました。
そして震えるその唇から、さらに言葉を告げました。


