「あれっ此処何処!?」
ふと我に返る。
目の前に広がっているのは、全く知らない場所だった。
私はさっきまで駅に続く道を急いでいた。
新宿駅の前で中川陽菜(なかがわひな)ちゃんと待ち合わせするためだった。
開通したばかりの副都心線で、朝早くなら横浜方面に行けるのだ。
きっと満員だと思うけど、池袋で乗り換えなくて済むから便利なんだ。
少しのんびりしていたら、あっという間時間オーバー。
だからギリギリ間に合う電車にどうにか乗り込もうとして駅に続く道を急いでいたんだ。
「何でこんな場所に居るの?」
「それは此方のセリフだよ」
「ん!?」
その言葉に振り向くと、引っ越し業者の帽子を被った人が私を睨んでいた。
(えっ、何か悪いことしたかな?)
私はまだこの状況を判断出来ずにいた。
「無賃乗車か?」
「えっ、違います!!」
私はそう言いながら、周りを見た。
(無賃乗車と言えば電車ね。でも此処何かが違う……)
壁で全面仕切られた部屋のようだ。それも金属に近い。
(うーん、やっぱり解んない)
私は頭を抱えた。
(悪い夢でも見ているのだろうか? それとも現実?)
私は更に頭を抱えた。
「此処何処?」
私は仕方なく聞いた。
「此処が何処だか解んないのか?」
引っ越し業者の運転手のような男性は呆れたように言った。
「此処はコンテナの中だ。とぼけるのもいい加減にしろ!!」
言葉を荒げる男性の声が私に更なる恐怖をもたらしていた。
私の居る場所は、本当に引っ越し業者のコンテナの中のようだった。
でも無賃乗車なんて絶対にやってない。
(何でこうなったの? ねえ、何で)
私はガタガタ震えながら、さっき垣間見た景色をもう一度見ようと顔を上げた。
コンテナの扉が開け放されて、その家の庭が見えていたのだ。
それが何処だか解らずに、ただ私はコンテナから降りられなかったのだ。
引っ越し業者としたら、迷惑この上ない出来事だったのに違いないと思うけど。
(陽菜ちゃん怒っているんだろうな?)
そう思いながら、ため息を吐いた。
「やれやれ、呑気なもんだ。ため息吐きたいのはこっちだ」
ソイツは携帯を取り出した。
ふと我に返る。
目の前に広がっているのは、全く知らない場所だった。
私はさっきまで駅に続く道を急いでいた。
新宿駅の前で中川陽菜(なかがわひな)ちゃんと待ち合わせするためだった。
開通したばかりの副都心線で、朝早くなら横浜方面に行けるのだ。
きっと満員だと思うけど、池袋で乗り換えなくて済むから便利なんだ。
少しのんびりしていたら、あっという間時間オーバー。
だからギリギリ間に合う電車にどうにか乗り込もうとして駅に続く道を急いでいたんだ。
「何でこんな場所に居るの?」
「それは此方のセリフだよ」
「ん!?」
その言葉に振り向くと、引っ越し業者の帽子を被った人が私を睨んでいた。
(えっ、何か悪いことしたかな?)
私はまだこの状況を判断出来ずにいた。
「無賃乗車か?」
「えっ、違います!!」
私はそう言いながら、周りを見た。
(無賃乗車と言えば電車ね。でも此処何かが違う……)
壁で全面仕切られた部屋のようだ。それも金属に近い。
(うーん、やっぱり解んない)
私は頭を抱えた。
(悪い夢でも見ているのだろうか? それとも現実?)
私は更に頭を抱えた。
「此処何処?」
私は仕方なく聞いた。
「此処が何処だか解んないのか?」
引っ越し業者の運転手のような男性は呆れたように言った。
「此処はコンテナの中だ。とぼけるのもいい加減にしろ!!」
言葉を荒げる男性の声が私に更なる恐怖をもたらしていた。
私の居る場所は、本当に引っ越し業者のコンテナの中のようだった。
でも無賃乗車なんて絶対にやってない。
(何でこうなったの? ねえ、何で)
私はガタガタ震えながら、さっき垣間見た景色をもう一度見ようと顔を上げた。
コンテナの扉が開け放されて、その家の庭が見えていたのだ。
それが何処だか解らずに、ただ私はコンテナから降りられなかったのだ。
引っ越し業者としたら、迷惑この上ない出来事だったのに違いないと思うけど。
(陽菜ちゃん怒っているんだろうな?)
そう思いながら、ため息を吐いた。
「やれやれ、呑気なもんだ。ため息吐きたいのはこっちだ」
ソイツは携帯を取り出した。