電話の向こう、―――。

綾子の、息を吸い込む音が、耳に届いた。


「私ね、―――――。

全部、麻友理にお願いしたんだよって、みんなの前で喋っちゃった。」


「え、―――!!」


だって、内緒にしてくれるって―――。


「私の結婚式、なんだもん。

紺ちゃんに相談したらね、好きにしたらいいって言ってくれたし。

こんなに素敵な演出を考えてくれたのは、麻友理だって。

心の籠った、素晴らしい結婚式になったのは、麻友理のおかげなんだよって。」


―――――――!!


「ブーケ、玲に渡したの。

玲、しばらく黙ってて……。

感情が込み上げちゃって、何も言えないの。

でもね、目にいっぱい涙を浮かべて、にっこり笑ってたよ。」


「……っ!!」


「玲がね、私も麻友理にお願いしたいって。

私も、麻友理がいいって。」


―――――――!!!


「お願い、出来るよね??」


「で、でも…。」


「玲の、たっての希望だよ。」


「……っ!!」


「麻友理、――――。

玲の、結婚式、みんなで一緒にお祝いしよう。


玲からの、伝言だよ。」









『麻友理、お祝い、してくれるかな?』