ダイキ君と翔平君がセッティングの最終確認をしている間に、私は綾子のもとへブーケを届けに控室に向う。


「失礼します。」


浮足立った気持ちで大きな扉を開けると、髪をセットしている綾子と鏡越しに目が合った。


「麻友理っ!!」


「綾子、キレイだよーっ!!」


涙腺が緩みそうになるのを必死で我慢していると、紺谷君が気を使って席を外してくれた。


「おめでとう!! 超、キレイ…。」


「やだ、もう……。

麻友理が泣くなんて…。」


だって、綺麗なんだもん。

何て言ったら…いいんだろう…。

綾子の醸し出す純白のオーラに圧倒されて、私は涙が抑えきれなくなってしまう。


「ありがとう、麻友理。」


綾子は私を真っ直ぐに見つめながら、微笑んだ。


「朝、見てきたよ。

すっごく綺麗で、感動したの―――。

私の、思い描いていた以上の、……。

麻友理にお願いして、本当に良かった。」


――――!!


いろんな思いが交差して、お互い、涙が溢れて止まらない。


「ありがとう。

そう言ってもらえたら、本当に嬉しい…。」


綾子の為に、頑張ったの―――。

いつも心配して、私を気にかけてくれている、大切な友達の為に――。

綾子が輝く一日の、お手伝いが出来て、本当に嬉しいんだよ。