「…ダイキ君。

じゃあ、ダイキ君が私を抱いてくれる?」


「は、―――??」


ぱっと腕を離され、ダイキ君は私の顔をまじまじと覗き込む。


「ダイキ君がじゃあ、私のこと、抱いてよ。」


「…何でそうなるんですか。

寝ることでしか、麻友理さんとは、通じ合えないんですか??」


「うん。私、誰でもいいの。」


上目使いにダイキ君を見つめ、答えた。


「私ね、どうしても人肌が恋しくなるんだよね。

だから、進藤さんは手っ取り早くていいんだ。

…愛とか、全然いらないし。」


「……!!」


カッと見開いた瞳は、怒りが込められていて。

私は思わず笑ってしまった。


「ごめん、ごめん。

翔平くんに失礼よね。」


私はもう、二度と、―――――。


人を好きになんかならない。

私のことを求めてくれるのならば、誰だっていい。

感情なんて、いらない。

愛のあるセックスなんて、知らない方がまし。

お互いの欲求を満たすだけの、ただの行為で構わない。