怖い、そう思った。 「っ、わたしは、ごく普通の学生で……、」 「学生? そのナリでか?」 「わ、わたし何かおかしいですか?」 紺色のブレザーに紺色のスカート。 おかしいところはないはずだ。 せいぜい、制服がダサいということくらい。 「…ふむ。お前は海に浮いていた。何かあったのか?」 ここで目を覚ます前を思い出す。 確かにわたしは海にいた。 でも、なぜかと言われたら、答えることができない。 わたしにも分からないからだ。 「…何も、分かりません。」