現実を生きたからこそ、夢を見る




「いつでも『来よう』。私は、君の友人だからね」



“彼”とは真逆の奴。先の宣言通り、“彼”と会う前に奴がいるのだろう。


ああ、それがいい。

“彼”に会いたいが、会ったら泣くことしかない。


会いたい会いたくない、そんな中途半端を他人が強制的に選択してくれるなら助かる。


いっそ、死にたいと生きたいも誰かが強制的に決めてくれればいいのに。


「……、現実はそう甘くないか」


素晴らしき悪夢と対面する。


素晴らしすぎた夢の後だからこそなおのこと。また目を閉じたくなるが、秒針の音を聞いてはそうも言っていられない。