最低で構わないから~好きと言えずに時間は流れる~

「――彼氏さんの前で何だけど、真太郎、佐由美と別れた後からあの女と付き合ったんだ」



「そうなんだ?」



祐太郎が話し出し、思い返してボーッとしてた自分に気が付いた。

“真太郎”という名前に、ピクリとこめかみが動いたんだ。

救いなのは、元カレの恋愛事情に立石が妬いてない事。

妬いてたら、俺はここを立ち去り、何事もなかったように晴香と結婚しただろう。