最低で構わないから~好きと言えずに時間は流れる~

そういや私、井ノ原さんを誘っときながら、知ってるのは年齢と職業だけだ。

大事な質問、恋人の有無を訊いてなかった。

けど、今日は知りたくない。

聞いたら、もう2度とこんな時間は流れない。



「ビールまだある?」



「後少し」



新しいビールを取りに行きがてら、離れた位置から井ノ原さんを見つめる。

もし、井ノ原さんに恋人が居るなら奪いたい。

それが無理なら、このまま時間を止めて欲しい。

少しでも長く、彼と居させて欲しい…。