最低で構わないから~好きと言えずに時間は流れる~

「怖い顔して立たないで!ヤキモチ止めなさいよ!」



「成美かっ!」



成美が何か吹き込んで、芽は勘違いをしてるだろう。



「佐由美…っ!;;」



カウンター越しで手を伸ばし、大声を出してしまった私の口を塞いで来る芽。

運が良いのか、店内にはお客さんが2人居たけど、何も気にしてない様子。



「佐由美って、成美以上の鈍感だよね」



「ないないっ」



…私が成美より?

あり得ないし、“鈍感”と言われたのは初めてだ。