最低で構わないから~好きと言えずに時間は流れる~

手を借りながら立ち上がり、「何?」と訊ねるも、「良いの!」と、口を割るつもりはないらしい。



「拗ねないでよ。直にわかるからさ?」



「わからなくて良いしっ」



「拗ねても、可愛いだけだからね?」



…い、厭味か!

拗ねても何しても、美しい成美に言われても嬉しくない。

私を含め、私の回りには彼女に敵う人は居ない。

けど、成美は厭味で言ってない筈。

無自覚だもん。

…溜め息しか出ないわ。