最低で構わないから~好きと言えずに時間は流れる~

まだまだ勉強不足。

ちょっと悔しく、俯きがちに下唇を噛んでると、「まぁ、ゆっくり教える」と言いながら、井ノ原さんが肩を叩いて来た。

いきなり優しさを見せられ、疑いの目を向ける。



「何や。嫌なら、本田先輩でも呼んだろか」



「止めて下さい;;」



これは優しさではなく、自分の受持ち店の売り上げ向上を目指す為の事だ。

…やっぱ井ノ原さん、優しくない!