最低で構わないから~好きと言えずに時間は流れる~

「下川さんが仰った事は、こちらからも以前に申上げた事と同じです。本部としても、立石は優秀な人材だと思ってます」



「客を不愉快にさせた人間を、お前らも揃いに揃って、どこを優秀だと言うんだ」



「全体的に見て、ですかね」



「はぁ?てめぇ、頭ないのか」



黒岩さんに続き、口を開いたのは井ノ原さん。

穏やかな口調で、冷静に話し合おうとしてる。

でも、“頭ないのか”の一言に、眉がピクリと動いた。