最低で構わないから~好きと言えずに時間は流れる~

「…もしもし?」



子供たちの事も考え、玄関で電話に出た。



「俺やけど、今店なんや。仕事終わったし、会われへんか?」



「――会いたい…」



やっと繋かって着た、井ノ原さんからの着信。

私から繋ける事が出来なかった相手。

もうすぐ、年が明ける時に会えるなんて、私には涙が溢れそうな位、嬉しい事だ。

速答し、ここまで迎えに来てくれる事になった。