紅白もクライッマクスを迎えて、出演歌手の人たちが蛍の光を歌ってる。

テーブルに無数のビールの空き缶。

1階の、お祖母ちゃん宅から帰宅した双子ちゃんたちは、ベットで夢の中。

ーーピリリリ…ッ

年越し蕎麦も食べ終え、静寂だったリビングに、けたたましい着信が鳴り響いた。



「……まさか、下川さん?」



「井ノ原さんだ」



鳴ったのは私の携帯。

しかも相手は、初電話の井ノ原さんだ。