1人納得した様子で、キッチンに戻る成美。

ポカーンとしながら成美を見つめてると、誠之介さんも微笑んで居た。



「良い人と、出会えたんだね」



「…はい」



井ノ原さんは、本当に良い人。

辛い過去も、一緒に分かち合いたいと思う。

なのに時間が経つにつれて、胸に靄が掛かり、増して行く。

順調に、むしろ早く距離が縮まったから?

それで、不安になってるの?