最低で構わないから~好きと言えずに時間は流れる~

足元から冷える今日。

ロングコートで身を包み、晴香の住むアパートへと向かう。

車に乗るほどの距離ではないが、今日ばかりは車で良かったかも知れない。

直営店の店長から、本部勤務になった時に引っ越して来て8年。

一定の距離を保って住んでたのに、いつの間にか…。

ーーピンポーンッ

心とは裏腹に、高らかに鳴り響く呼び鈴。

今までは苦ではなかった音。

むしろ素で居られる場所だった。