202号室の、お兄さん☆【完】


幸せ、は曖昧で、
簡単には手には入らなくて、
実感なんてないかもしれません。

「……はい。でもみかどちゃん、僕、3ヶ月とても頑張りました!」


――だから、今日、いえ……今だけ甘えさせて下さい。

そう、可愛らしい顔でお兄さんは言いました。



「お兄さん、」

私が膝をポンポンと叩くと、

少し照れた顔で、私の膝を枕に寝転びました。




「――岳理くんがヤキモチ焼くかもしれませんね」


「いつも、意地悪だから、偶には良いのです!」


そう言って、お兄さんのサラサラの髪を恐る恐る撫でました。

くすぐったそうに目を閉じるお兄さんが、愛しくて……。


甘えているのはお兄さんのはずなのに、

私の方が心が安らぎました。



3ヶ月で、お兄さんはちょっぴり成長していましたが、



でも、愛しくて、抱き締めたい感情は、変わる事はありませんでした。


繊細で優しいお兄さんを、

私はこれからもずっと見守ってあげたい……です。


その分、距離が離れても私は何も変わらないのだと、
ちゃんと伝えて、お兄さんを安心させてあげたいです。


可愛い、可愛い、お兄さんの為に。