幸せ、は曖昧で、
簡単には手には入らなくて、
実感なんてないかもしれません。
「……はい。でもみかどちゃん、僕、3ヶ月とても頑張りました!」
――だから、今日、いえ……今だけ甘えさせて下さい。
そう、可愛らしい顔でお兄さんは言いました。
「お兄さん、」
私が膝をポンポンと叩くと、
少し照れた顔で、私の膝を枕に寝転びました。
「――岳理くんがヤキモチ焼くかもしれませんね」
「いつも、意地悪だから、偶には良いのです!」
そう言って、お兄さんのサラサラの髪を恐る恐る撫でました。
くすぐったそうに目を閉じるお兄さんが、愛しくて……。
甘えているのはお兄さんのはずなのに、
私の方が心が安らぎました。
3ヶ月で、お兄さんはちょっぴり成長していましたが、
でも、愛しくて、抱き締めたい感情は、変わる事はありませんでした。
繊細で優しいお兄さんを、
私はこれからもずっと見守ってあげたい……です。
その分、距離が離れても私は何も変わらないのだと、
ちゃんと伝えて、お兄さんを安心させてあげたいです。
可愛い、可愛い、お兄さんの為に。



