202号室の、お兄さん☆【完】


「ああ!」

「どうしました!?」

私の悲鳴に駆けつけると、お兄さんもびっくりして後ずさりました。

201号室と202号室をつなぐトンネルが、段ボールが落ちたのか通りぬけできません。


押してもビクともしないのは……、段ボールが壁とテーブルの間にすっぽりハマっているからだと思います。


「あわわわ、すみません! 私がかき氷機をテーブルに置いていたのですが、アルジャーノンを移したから端に寄せたのです!!」


慌てる私にお兄さんは、にっこり笑いました。


「大丈夫ですよ。201号室は鍵をかけてなかったし、窓から下に声をかければ……」

そう言って、ガラッと窓を開けたお兄さんの横を、ヒュッと光が通り抜けました。



「た~ま~や~」

「いけいけっ 百連発!!」


窓の外には、ロケット花火が飛び交って、五月蝿い上に下を見るのは危険です。



トンネルは閉鎖。
ドアはテントで閉ざされ、
窓からは助けは呼べません。


こ、れは……。




「その人達は、202号室に監禁されていました、状態ですね」

ハハッと笑うお兄さん。


わ、笑えませんよー!!