皆さんでスイカ割りを楽しんだ後は、スイカの種飛ばしをしました。
新しく増築し、まだ何も植えていない花壇目掛けて、皆さん飛ばします。
「来年にはスイカができているかもしれませんね!」
そう言って、一番活き活きと種を飛ばすお兄さんを見ていたら、自分だけウジウジしているのが馬鹿らしくなって来ました。
種飛ばしを終え、流し素麺セットを片付けていると、辺りはもう薄暗くなってきました。
「畳んだテント、どうするんじゃ?」
「とりあえず、鳴海さんのドア前に置いておきましょ。202号室なら、みかどの部屋から入れるし」
「じゃーん! ロケット花火、百連発!!」
皇汰とリヒトさんとトールさんは両手いっぱいのロケット花火を持っています。
「ぬ? 線香花火が足りぬぞ」
「あ、僕の部屋にまだあるかもしれません」
お兄さんが、ファミリー花火セットを持ちながら思い出したように言います。
「姉ちゃん、予備のチャッカマンも持って来て」
皇汰がロケット花火を並べながら、言いました。
私が皇汰を睨みつけている時、
浴衣の裾を掴まれました。
「あ……」
「一緒に行きましょう。みかどちゃん」
……ああ、3ヶ月ぶりの私へだけの笑顔、です。



