「あ、皆さんに頼まれていたお土産とおばさんからです」
1人1人にお土産を渡しながら、お兄さんは引っ張りだこです。
葉瀬川さんが、英字の漫画を握り締めたかと思うと、天井へとかざしてクルクル回り始めました。
「鳴海ん、保存用と鑑賞用は?」
「ありません!!」
拗ねた葉瀬川さんをよそに、リヒトさん達は、テーブルに並べられたお土産に興味津々です。
「鳴海ん、このお菓子はばぁちゃんから?」
「はい。あ、千景さん」
お兄さんは、リュックの一番下からラッピングされた箱を取り出しました。
「編入試験、合格おめでとうございます。あの、その、これを……」
照れながらプレゼントと渡すお兄さん、可愛らしいです。
千景ちゃんも頬を染めて、プレゼントを受け取りました。
「皇汰くんには、これを」
「あん?」
不良のように、ジェラシー全開で睨みつける皇汰には、一枚の手紙が。
「菫(すみれ)さんからです」
「母さん? あんた母さんに会ったの?」
目をまん丸にして驚く後ろで、またもや千景ちゃんが悲鳴をあげました。
「ちょっと!! 鳴海さん、何これ!!」
千景ちゃんが手にしているのは、アニマル柄の股引?です。



