千景ちゃんの悲鳴を合図に、皆さんがぞろぞろ集まって来ました。
サラサラの茶色かかった髪、
私よりも綺麗で整った顔立ち、
くるくる変わる、愛らしい表情……。
そして……。
「お、お兄さん、背、伸びました? な、何かこう、」
凛々しいというか逞しいというか、
久しぶりのお兄さんからは、余裕のある大人な雰囲気が出てます。
「そうなんです! 食生活と睡眠時間が良いせいか、ちょっと成長したんです」
そう言って微笑んだお兄さんは、両手を広げて私を見ました。
「みかどちゃん、――ただいまっ」
そう言ったお兄さんの3ヶ月ぶりの笑顔に、私はトキメくと、すかさずその胸に飛び込みました。
空港? 港? 今回はどちらから来たんでしょうか?
汗を流しながらも、急いで帰って来てくれたお兄さんに、
胸がジーンと熱くなりました。
「……もしかして、これは恋!?」
ハッと驚く私に、岳理さんは舌打ちします。
「久しぶりだから、嬉しいだけだろーが。早く離れろ」
そう言って、引き離すと、今度は自分が抱きつきました。
「――久しぶり」
そう言って、先ほど殴った部分を優しく撫でました。



