『親愛なるみかどちゃん。
突然ですが一時帰国することになりました。
日程は、決まり次第メールしますね。
何かリクエストがあれば作りますよ
有栖川 鳴海』
ああああ!
もう、何度読み返したか分かりません!
この手紙が来てから、毎日毎日毎日毎日毎日毎日毎日、それは毎日、
どれだけそわそわした事でしょうか。
明日になれば、写真じゃないお兄さんに会える!
動いて、笑って、くるくる表情を変える、大好きなお兄さんに!
体中から、お兄さんが愛おしい気持ちに溢れて、甘く痺れてしまいます。
オオカミ岳理さんとは大違いです!
ある程度、同じお菓子を棚に返し終わった時、背後に人の気配を感じました。
「100円握り締めて、お菓子を買うのって、わくわくしますよね」
はぁはぁ、と息切れしながら背後の人は喋ります。
「うまい棒とチロルチョコとビックカツと……あと風船ガム。子ども時代、百円って本当に大金で、いっぱいお菓子を買えましたよね」
そう、食べ物の事になると饒舌になる方は言いました。
言い……。
「で、で、出たぁああああ!!!!!!」



