「お素麺とかき氷だとお腹が冷えませんかね……?」

「あいつらなら、大丈夫だろ」
そう言いつつ、買い物カゴ3つ分の量に深い溜め息を吐き出しました。


岳理さんは、孔礼寺にある素麺流しセットを貸してくれました。


「あ、テントが欲しいって言ってましたよ」

「……幼稚園のなら、あると思う」

そう言って、電話をかけだしました。




「みかど! みかどみかどみかどー!!!」

「!? 千景ちゃん!?」


千景ちゃんが慌てて抱きついて来て、私に豊満な胸を押し付けました。


「お菓子! 私が選ぶと甘い物ばっかりになっちゃって!! 買い物カゴいっぱい甘い物よ? 一緒に選び直してー!!」

カートの上のカゴの中には、溢れんばかりのお菓子が……。


「そうだね。皆さんで摘めるような小分けの物が良いだろうしね。私で良ければ一緒に選ぶよ」

「いくら岸六田のブラックカードでも、これは買いすぎって怒られそうだしねぇ」

買い物カゴを良く見ると、1つのクッキーでも通常味、夏限定味、地域限定の、と3種類買っています。


私は要らないのだけ棚に戻していきます。


けれど、こんなに皆さんが浮かれているのは、




明日、お兄さんが帰ってくるから。

だからしょうがないんです。