202号室の、お兄さん☆【完】


……私、未だに分家やら本家やら突っ込んで良いのか分からないので、どんな顔をしていいやら……。

伝統ある家ならば、古い柵(しがらみ)もあるのですね。


「この人、私好みなんだがなぁ……」
「母さんに伝えとくよ」
「!!」

玄理さんがお見合い写真を勝手に見ながら、吟味している横で、岳理さんは敷き布団を敷きました。


「おじさん、縁側は寒くなるから、こっちで寝ろよ」


けれど、葉瀬川さんはピクリともしません。

「まぁ唯一くんは、美形だから女性に不自由しなかったのが原因だよねぇ……。女性って儚げな男性に弱いし」


「おい、おじさん起きろって」

「唯一くんも、奥さんが居る生活の暖かさを知れば、お見合いにも積極的になるかなぁ……」

「あー! もう! リカ達はリヒト達に遊んで貰え!!」


「何か、良い方法はないかなぁ……」

「おじさんが起きる良い方法は……」


そう言った二人が突然、此方を見ました。


「?」



「「良い考え、思いついた」」


「へ? へ?」


その時の2人の顔は、とても……とても悪意に満ちていました。