岳理さんがリヒトさんとトールさんを呼んで来ました。


「あぁああ! 何、みかどちゃんに労働させてるの!!」
「最低鬼畜野郎共!! 地獄へ落ちろっ」

リヒトさんと岳理さんと葉瀬川さんが鍬で傷つけて、
トールさんとドラガンさんと私でスコップで叩きつけて、

ガッ ガリッ

ガッ ガリッ


けれど、まだまだまだ壁は壊れません。


「――何をやってるんだか」

店を閉め終わった千景ちゃんがやって来ました。


「焼けば速いんじゃね?」

千景ちゃんは皇汰を呼んでいました。


「鉄筋コンクリートじゃないなら、何の壁なの?」

「……さぁ? でも画鋲は刺せるのよねぇ」

皇汰が鍬を握り締めました。


皇汰とリヒトさんと岳理さんと葉瀬川さんが鍬で傷つけて、
千景ちゃんとトールさんとドラガンさんと私がスコップで叩きつけて、


ガッ ガリッ
ガッ ガリッ

けれど、まだまだまだまだ壁は壊れません。



……というか壊れるのでしょうか。
ちょっと不安になってきました。



「おい、じじい、ハンマー持って来い」

岳理さんはまた電話をかけています。
凄く楽しそうです。



「み、皆さん、出て行きますから止めて下さい! ゴホッ スゴい壁煙が……」

「出なくて大丈夫です」

私はそう言いました。